(No Title)
苛立ち。
それを抑えるための睡眠。
眠っていればくだらない感情も忘れられるだろうって思ったから。
だから眠剤を多めに飲んで、意図的に長時間眠れるようにした。
結果としては、今は頭がボケッとしている感じとともに、両親の声を聞くだけで苛立ってくる。
結局何も変わりはしない。
眠っている間だけ、というのは確かにその通りなのだけれど。
自分のために、自分の将来のために労働を行って、その対価を得て、その分を貯めておいて自立する。
そんなことを考えていた。
けれども、そんなことはお構いなし。
僕の得る対価は目の前の債務に充てられる。
僕はただ黙ってそれを見ているしかない。
将来の見通しが立たなくなってしまった。
僕は複数ある橋の中から、自分で渡れる橋を選んだつもりだったのだけど、確かに渡るには渡れるのかもしれない。
けれど、渡り終えて、次の橋を選ぶことすらできない状況になってしまった。
僕はまた何もない人間に戻ってしまった。
生産性のある人間になれたと思ったのに。
生産性のある生活ができると思ったのに。
全てが無駄。
今していること全てが無駄に思えて仕方がない。
また苛立って、誰かに当たるなんて止めるから、自傷行為をまたしよう。
今度は右腕に刻む。
苛立ちと空しさ。
そういえば、幻聴が聴こえて。
ガスコンロがぱちぱち言う音と、アルミホイルがかちゃかちゃとする音。
どちらも両親には聞こえなかったようで、僕が何度も確かめてみてもガスコンロは使用されていなかった。
アルミホイルも減っている形跡も無い。
このように、人と同じ空間にいながら僕だけにしか聴こえない音があることに、また僕は苛立つ。
苛立ってばかり。
ぶつける術はやはり僕自身の身体しかないんだ。
休みの日に切り刻もう。
面倒だな。