死ねなかった。
それだけ。
線路に横たわるわけでもうずくまるわけでもなく、目の前に立っているだけだった。
ただ怖くて、動悸がして、胃が痛くなって、帰ってきた。
帰ってきて、普通に生活して、普通にこうやって文章を打っている。
どうせできないであろうことを試してみた。
結果、ダメだった。
わかっていたことを試しただけ。
勇気が足りないというのでなく、正気をまだ保っている。
正気がなくなるほどの絶望があれば良いのだけど、緩やかな失望と無駄な希望で。
「いつか」は訪れない。
来るときになったら、勝手に死ぬものだ。
選択肢がなくて、死しか道がなくなる。
それだけ。
いつも通りの厭世観。