読書感想文
「ザ・シークレット」という本の読書感想文です。
※ネタバレあり でもあんまり関係ないか。
概略
ザ・シークレット、つまり『秘密』とは『引き寄せの法則』というもののことを言う。
著者の言う『秘密』=『引き寄せの法則』ということになる。
それでは、引き寄せの法則とは何だろうか?
本書の中では、人間を磁石に例えていた。
つまり「磁石である人間がいてそれが、良い思考を持っている人間であれば、良い事象が集まってくる。一方で、悪い思考を持っている人間は、悪い事象が集まってくる」ということだ。
また、この引き寄せの法則に則れば、何でも創造することができる。
例を挙げると、「お金持ちになりたいお金持ちになりたい」と思考し続ける。
ここで注意すべき点は、「お金持ちになれないのではないか」といった他の事象を考えないことである。
そうすることにより、引き寄せの法則がはたらき、お金は必ず自分の下へ引き寄せられてくる、といった具合だ。
さて、結論から。
胡散臭ぇw
だって、冒頭から胡散臭さ全開なんだぜ!
「その秘密を用いたことで、不治の病が治った、歩けなかったのが歩けるようになったというお手紙を、方々から頂いた」とか、安っぽい「イエスの奇跡を説いた弟子」が書いているのではないかというような錯覚にさえ陥る内容のことを書いてんだもん。
そりゃ、まぁ、当事者にしかわからないから真偽は不明だけども、この引き寄せの法則とやらで何でもできるようになるという紹介の仕方に、まずは著者の傲慢な態度がひしひしと伝わってきて、読む気が失せた。
だけど、せっかく紹介してくれたのだから、まずは、読んでみる。
気になった文章を1つずつ突っ込んでいく。
・『あなたの現在の人生はあなたが過去に考えた事の反映です。」ジョン・アサラフ 25頁
私は将来なんて、考えも及ばなかったよ。まさかひきこもりから大学に行けるなんて思いもしなかった。
ここで曖昧なのは、成年と未成年とを分けていないことにある。
逆に言葉を送ろうか。誰に言われたんだっけ?
『過去の行動が、現在のあなたの反映です』某 と。
・『思考は現実化する』マイク・ドーリー 26頁
これはないわ。
たった1つ、簡単な反証をしてみようか(反証になってんのかな?)。
今日、横手市の午前の天気は曇り、午後は雨という予想であった。
私は、自身を「雨男」であると思考し、また、「雨雲を見て、雨が降るに違いない」と思考した。
しかし、私の予想に反し、また、天気予報にも反して、すがすがしい青空である。
これは一体どういうことなのだろう?
思考は現実化するのではないのか?
この本では、「欲するか欲しないかに関わらず、意識により事象が発生する」という。
これまた例を挙げれば、「私は雨が降らないでもらいたい」と欲するか否かに関わらず、「雨が降ると意識すれば、雨は降るという事象が発生する」というのだ。
つまり、欲求と事象との間に因果関係はなく、ただ意識と事象のみに因果関係が存在するという。
しかしながら、結果はどうだったであろうか?
私は「雨が降るだろう降るだろう降るだろう降るだろう」と意識し続け、汚れてもいいようにタオルまで持っていった。しかしながら、このカンカン照りでうるさくセミも鳴いている。
これが自然法則というのであれば、私のすぐ真上にのみ雨雲が集中し、瞬時に雨が降ってくるはずだ。
しかしながら、そうはならなかった。
ついで言えば、私は帰りにこそ、雨が降るだろうと思考した。
私は雨男なのだから、それに午後は雨が降ると言っていたのだから、きっと病院を出たら雨が降るに違いない、とさえ思った。病院を出たのは13時を過ぎたあたりだった。
しかし、予想に反し、雨など全く降らなかった。
そのおかげでこの本を図書館で探すに至ったわけだ。
ちなみに私は、雨が降るだろうから図書館には行けないだろう(びしょ濡れのまま入るのがいやだったという意識もあった)と思考していた。
・「あなたの考え方を変えて周波数を変えれば良いのです」チャールズ・ハーネル 29頁
これは、自身をテレビに例えたもの。
今見ている、ホラー映画から、コメディ映画に切り替えようって感じ。
つまり、ネガティブに、不安な未来を見続けるのではなく、ポジティブに明るい未来を見ておこうよ、ってことだろう。
これはその通り。脳は馬鹿だから、ポジティブな考えを無理矢理思考し続けると、ポジティブな脳が完成する。
しかし、その前段階が難しい。
「考え方を変える」
思考ってのは、紙芝居みたいにすっと切り替えられるもんじゃない。
何年も何年も何かしらの体験を経て、様々な色や種類から練り上げられた粘土細工みたいなもんだ。
それを、一つ一つ、位置から小分けするなんて不可能に近い作業だろ。てか不可能だよ。
だから、その粘土細工の上に、新たに粘土を継ぎ足して、また新たな形を作っていくんじゃないのかな?
繰り返しになるけども、テレビでは瞬時にチャンネルを切り替えられるにしても、まずアンテナを換えなきゃならない。けど、実際のアンテナ交換のように、人間の思考は「ほいっ」と変えられるもんじゃないんだよ。
だから、前提の思考を変えるってのがまず難しいから、そんな簡単に言うなよって思った。
・「あなたは今までの人生であなた自身が思考してきた結果出来上がった作品です」ジョー・ビタリー博士 47頁
その通り。
子供だって思考する。
小学校3年生のくろくんの思考は、兄で埋め尽くされていた。
兄からの暴力・脅迫・理不尽な行動、それらに対してどう対応していくかばかり意識していた。
くろくんのSOSを見過ごした両親、止まらない兄の暴走、それによるくろくんの友達の喪失。
気づいたら、くろくんは学校へ行く精神状態ではなくなってしまっていた。
そして長く長くひきこもり、何の思考もせずにしてきた結果出来上がった作品が、現在の私です。
これのどこが自然法則なのだろう?
また、意識の統合(結合?)による話もあった。
つまり、皆が共通の良い(悪い)意識を持てば、その事象は起こる。
不謹慎だが、その理論でいうのであれば、9.11の同時多発テロは、アメリカを憎む全世界のどこかの何人いるかわからないが、ともかく人間が、共通の「アメリカにテロリズムを実行したい・しなければならない」という思考の基で発現した事象ということになる。
広島・長崎への原爆もそうだ。
第二次世界大戦期、軍部は「敗戦濃厚」との思考から、「日本はお終いだ」という意識になり、「原爆投下を招いた」と説明される。
こんなもんで、9.11の説明、原爆投下の現実を説明しろってのか?
頭おかしいんじゃねぇの。
そもそも人間の負の思考、良の思考って誰が決めんだよ?
まぁ、考えた通りになるというのであれば、善悪・良負ってのは関係ないだろうが、意識が介在してくると言っているのだから、そこには当然、道徳観念やらが絡んでくるわけで。その意識の結果が事象なんだろ。
結果の前段階の善悪・良負ってのは必ず意識の中に入っているもんだろ。
民主主義を良しとするのは、民主主義を採用している国の価値観だ。
確かに、民主主義国家同士での戦争は無い(確かそうだと習った)。
けれど、その価値観が全てにおいて正しいと誰が言えるんだ?
ネガティブな思考って誰が決めるんだよ?
ポジティブな思考って誰が決めるんだ?
その審判は誰が下して、その恩恵は誰が人間に与えるんだ?
神(笑)か?
くだらねぇ。
全くもってくだらない。
引き寄せの法則が自然法則だなんて笑わせんな。
ただの世の中に存在する1つの説じゃないか。
何を偉そうに自然法則だとのた回ってんだよ。
そんなおごりは捨てろ。
何このトンデモ本、って感想。
以上。
※ネタバレあり でもあんまり関係ないか。
概略
ザ・シークレット、つまり『秘密』とは『引き寄せの法則』というもののことを言う。
著者の言う『秘密』=『引き寄せの法則』ということになる。
それでは、引き寄せの法則とは何だろうか?
本書の中では、人間を磁石に例えていた。
つまり「磁石である人間がいてそれが、良い思考を持っている人間であれば、良い事象が集まってくる。一方で、悪い思考を持っている人間は、悪い事象が集まってくる」ということだ。
また、この引き寄せの法則に則れば、何でも創造することができる。
例を挙げると、「お金持ちになりたいお金持ちになりたい」と思考し続ける。
ここで注意すべき点は、「お金持ちになれないのではないか」といった他の事象を考えないことである。
そうすることにより、引き寄せの法則がはたらき、お金は必ず自分の下へ引き寄せられてくる、といった具合だ。
さて、結論から。
胡散臭ぇw
だって、冒頭から胡散臭さ全開なんだぜ!
「その秘密を用いたことで、不治の病が治った、歩けなかったのが歩けるようになったというお手紙を、方々から頂いた」とか、安っぽい「イエスの奇跡を説いた弟子」が書いているのではないかというような錯覚にさえ陥る内容のことを書いてんだもん。
そりゃ、まぁ、当事者にしかわからないから真偽は不明だけども、この引き寄せの法則とやらで何でもできるようになるという紹介の仕方に、まずは著者の傲慢な態度がひしひしと伝わってきて、読む気が失せた。
だけど、せっかく紹介してくれたのだから、まずは、読んでみる。
気になった文章を1つずつ突っ込んでいく。
・『あなたの現在の人生はあなたが過去に考えた事の反映です。」ジョン・アサラフ 25頁
私は将来なんて、考えも及ばなかったよ。まさかひきこもりから大学に行けるなんて思いもしなかった。
ここで曖昧なのは、成年と未成年とを分けていないことにある。
逆に言葉を送ろうか。誰に言われたんだっけ?
『過去の行動が、現在のあなたの反映です』某 と。
・『思考は現実化する』マイク・ドーリー 26頁
これはないわ。
たった1つ、簡単な反証をしてみようか(反証になってんのかな?)。
今日、横手市の午前の天気は曇り、午後は雨という予想であった。
私は、自身を「雨男」であると思考し、また、「雨雲を見て、雨が降るに違いない」と思考した。
しかし、私の予想に反し、また、天気予報にも反して、すがすがしい青空である。
これは一体どういうことなのだろう?
思考は現実化するのではないのか?
この本では、「欲するか欲しないかに関わらず、意識により事象が発生する」という。
これまた例を挙げれば、「私は雨が降らないでもらいたい」と欲するか否かに関わらず、「雨が降ると意識すれば、雨は降るという事象が発生する」というのだ。
つまり、欲求と事象との間に因果関係はなく、ただ意識と事象のみに因果関係が存在するという。
しかしながら、結果はどうだったであろうか?
私は「雨が降るだろう降るだろう降るだろう降るだろう」と意識し続け、汚れてもいいようにタオルまで持っていった。しかしながら、このカンカン照りでうるさくセミも鳴いている。
これが自然法則というのであれば、私のすぐ真上にのみ雨雲が集中し、瞬時に雨が降ってくるはずだ。
しかしながら、そうはならなかった。
ついで言えば、私は帰りにこそ、雨が降るだろうと思考した。
私は雨男なのだから、それに午後は雨が降ると言っていたのだから、きっと病院を出たら雨が降るに違いない、とさえ思った。病院を出たのは13時を過ぎたあたりだった。
しかし、予想に反し、雨など全く降らなかった。
そのおかげでこの本を図書館で探すに至ったわけだ。
ちなみに私は、雨が降るだろうから図書館には行けないだろう(びしょ濡れのまま入るのがいやだったという意識もあった)と思考していた。
・「あなたの考え方を変えて周波数を変えれば良いのです」チャールズ・ハーネル 29頁
これは、自身をテレビに例えたもの。
今見ている、ホラー映画から、コメディ映画に切り替えようって感じ。
つまり、ネガティブに、不安な未来を見続けるのではなく、ポジティブに明るい未来を見ておこうよ、ってことだろう。
これはその通り。脳は馬鹿だから、ポジティブな考えを無理矢理思考し続けると、ポジティブな脳が完成する。
しかし、その前段階が難しい。
「考え方を変える」
思考ってのは、紙芝居みたいにすっと切り替えられるもんじゃない。
何年も何年も何かしらの体験を経て、様々な色や種類から練り上げられた粘土細工みたいなもんだ。
それを、一つ一つ、位置から小分けするなんて不可能に近い作業だろ。てか不可能だよ。
だから、その粘土細工の上に、新たに粘土を継ぎ足して、また新たな形を作っていくんじゃないのかな?
繰り返しになるけども、テレビでは瞬時にチャンネルを切り替えられるにしても、まずアンテナを換えなきゃならない。けど、実際のアンテナ交換のように、人間の思考は「ほいっ」と変えられるもんじゃないんだよ。
だから、前提の思考を変えるってのがまず難しいから、そんな簡単に言うなよって思った。
・「あなたは今までの人生であなた自身が思考してきた結果出来上がった作品です」ジョー・ビタリー博士 47頁
その通り。
子供だって思考する。
小学校3年生のくろくんの思考は、兄で埋め尽くされていた。
兄からの暴力・脅迫・理不尽な行動、それらに対してどう対応していくかばかり意識していた。
くろくんのSOSを見過ごした両親、止まらない兄の暴走、それによるくろくんの友達の喪失。
気づいたら、くろくんは学校へ行く精神状態ではなくなってしまっていた。
そして長く長くひきこもり、何の思考もせずにしてきた結果出来上がった作品が、現在の私です。
これのどこが自然法則なのだろう?
また、意識の統合(結合?)による話もあった。
つまり、皆が共通の良い(悪い)意識を持てば、その事象は起こる。
不謹慎だが、その理論でいうのであれば、9.11の同時多発テロは、アメリカを憎む全世界のどこかの何人いるかわからないが、ともかく人間が、共通の「アメリカにテロリズムを実行したい・しなければならない」という思考の基で発現した事象ということになる。
広島・長崎への原爆もそうだ。
第二次世界大戦期、軍部は「敗戦濃厚」との思考から、「日本はお終いだ」という意識になり、「原爆投下を招いた」と説明される。
こんなもんで、9.11の説明、原爆投下の現実を説明しろってのか?
頭おかしいんじゃねぇの。
そもそも人間の負の思考、良の思考って誰が決めんだよ?
まぁ、考えた通りになるというのであれば、善悪・良負ってのは関係ないだろうが、意識が介在してくると言っているのだから、そこには当然、道徳観念やらが絡んでくるわけで。その意識の結果が事象なんだろ。
結果の前段階の善悪・良負ってのは必ず意識の中に入っているもんだろ。
民主主義を良しとするのは、民主主義を採用している国の価値観だ。
確かに、民主主義国家同士での戦争は無い(確かそうだと習った)。
けれど、その価値観が全てにおいて正しいと誰が言えるんだ?
ネガティブな思考って誰が決めるんだよ?
ポジティブな思考って誰が決めるんだ?
その審判は誰が下して、その恩恵は誰が人間に与えるんだ?
神(笑)か?
くだらねぇ。
全くもってくだらない。
引き寄せの法則が自然法則だなんて笑わせんな。
ただの世の中に存在する1つの説じゃないか。
何を偉そうに自然法則だとのた回ってんだよ。
そんなおごりは捨てろ。
何このトンデモ本、って感想。
以上。