冷風
「お前が我慢すれば済むことなのに」
っていう場面で、いつも我慢してきた。
今回だってそうだよ。
会いたくもない、近づいてほしくもない人間が家に入って来ることを許したんだ。
そんなの当たり前だろ?っていう顏をされるから、イライラするんだよ。
僕は本気で殺されると思っているのに。
自分がおかしいのはわかってるけど、こういう思考を止められないんだ。
どうして自分がこういう思考になってしまうのか、それをわかってもらえない。
自分が何故、パニックになるのかもわかってもらえない。
あなた方に見せる顏と、僕に見せる顏は全く違う。
あなた方はいつも、兄の味方で。僕の言うことはいつも聞いてくれなくて。助けてもくれなくて。
おかしくなった方が悪い。
おかしくした方は悪くない。
おかしくなる人間は弱い。
僕のいうことは何も信じてくれない。
なんであいつばかりの言うことを信じるんだ。
なんで味方になってくれないんだ。
なんでまたずっと我慢しなきゃいけないんだ。
わずかにあった信じる気持ちがなくなった。
最後の最後はわかってくれると思ってた。
最後につらいときはわかってくれると思ってた。
なんもわかってくれなかった。
いつも我慢しなきゃいけないのは自分。
自分がつらいことを言うのはわがままなんだな。
あいつらがわがままを言うのは許すんだな。
自分が譲歩して苦しんで頑張って決めたのも当たり前。
敵しかいない。
あいつらがいなくなったって結局変わらない。
こんなのも結局異常なお前の戯言だとか言うんだろ。
僕は譲歩したよ。